北朝鮮の正式名称とは?「北韓」との違いや英語DPRKの由来を徹底解明
ニュースや新聞で日常的に目にする「北朝鮮」という呼び名ですが、その正式名称を正確に言える人は決して多くありません。東アジアの安全保障を語る上で欠かせない存在でありながら、国名の成り立ちや国際的な呼称の背景には、半世紀以上にわたる複雑な政治的思惑と分断の歴史が潜んでいます。
日本、韓国、そして国連などの国際社会において、なぜそれぞれ呼び方が異なるのでしょうか。英語表記である「DPRK」の意味や、正式名称に込められた国家の思想まで、知っておくべき真相を分かりやすく紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:正式名称は「朝鮮民主主義人民共和国」(英語名:Democratic People's Republic of Korea / 略称:DPRK)であり、首都は平壌に位置します。
- 要点2:韓国では「北韓」、北朝鮮側からは韓国を「南朝鮮」と呼ぶなど、双方が「半島唯一の正統政府」を主張してきた歴史的経緯から呼称の対立が存在します。
- 要点3:日本政府は国家承認を行っていない関係から外交上「北朝鮮」と通称を用い、1991年の国連加盟では双方が正式名称で同時加盟を果たしました。
【正式名称の基礎】北朝鮮の国名は「朝鮮民主主義人民共和国」|英語表記DPRKの仕組み
北朝鮮の公式な国名は、朝鮮民主主義人民共和国です。首都は平壌(ピョンヤン)に置かれています。漢字表記では11文字に及ぶこの長い名称は、国家の体制や掲げる理念をそのまま反映したものとなっています。
国際舞台や外交文書で頻繁に用いられる英語表記は「Democratic People's Republic of Korea」です。国際ニュースやスポーツの国際大会(オリンピックなど)では、その頭文字をとった「DPRK」という略称が公式コードとして使われています。海外メディアでは「North Korea」という通称が一般的ですが、公式な場では一貫してDPRKが使用されます。
なお、日本国内では「北朝鮮」という略称が完全に定着していますが、国内向け・国外向けで使い分けられる呼称の背景には、建国期からの思想的背景が色濃く残されています。
【国名の由来と歴史】なぜこの名前に?建国時の思想と「朝鮮」のルーツ
なぜ「朝鮮民主主義人民共和国」という名称が誕生したのでしょうか。その原点は、第二次世界大戦後の1948年9月9日に行われた建国宣言に遡ります。
国名のコアとなる「朝鮮」は、1392年から500年以上続いた「李氏朝鮮」や、古代の「古朝鮮」に由来する伝統的な地域・民族の名称です。北緯38度線を境にソ連軍の軍政下にあった北部地域は、民族の伝統的なアイデンティティを象徴する言葉として「朝鮮」を採用しました。
後半の「民主主義人民共和国」という言葉には、社会主義陣営の国家観が色濃く反映されています。当時の東欧社会主義国などと同様に、人民が主権を持つ国家形態を対外的にアピールする意図が込められていました。実態としては一党独裁体制が敷かれていくことになりますが、国名の上では社会主義思想に基づいた人民主権を掲げたのです。
【韓国との対比】韓国での呼び方「北韓」と「大韓民国」の違い
朝鮮半島の南部を統治する韓国の正式名称は大韓民国(Republic of Korea / ROK)です。同じ半島に位置しながら、双方が採用した国名には決定的な思想の違いが存在します。
韓国側は、1897年に成立した「大韓帝国」の名を継承し、「韓」という民族・国家概念をアイデンティティとしました。そのため、韓国では自国を「韓国」「南韓」、北側を「北韓(プッカン)」と呼びます。大韓民国憲法第3条において「大韓民国の領土は朝鮮半島とその付属島嶼とする」と規定されており、法的には北朝鮮の支配地域も自国の領土の一部(未回収地域)と位置づけているためです。
一方で、北朝鮮側も自らを半島唯一の正統政府と位置づけてきたため、韓国のことを長年「南朝鮮(ナムチョソン)」と呼んできました。互いに相手を正式な独立国家として認めず、自国の正統性を主張し合ってきた歴史が、この呼称のねじれを生み出した根本原因です。
【日本と北朝鮮の呼称経緯】なぜ日本国内では「北朝鮮」と呼び続けるのか
日本国内で「朝鮮民主主義人民共和国」ではなく「北朝鮮」という呼称が広く使われているのには、明確な外交上の経緯が存在します。
日本政府は1965年の日韓基本条約において、韓国政府を「朝鮮半島における唯一の合法的な政府」として承認しました。現在に至るまで日本は北朝鮮を国家として公式に承認しておらず、国交も結ばれていません。そのため、外交上および公的文書において正式国名を用いる義務がなく、地域名としての「北朝鮮」という呼称が採用されています。
日本の主要メディアでは、かつて1970年代から1980年代にかけて「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)」と正式名称を併記する時期もありました。しかし、1987年の大韓航空機爆破事件やその後の拉致問題の発覚などを経て、読者への分かりやすさや報道の簡潔性を重視し、現在の「北朝鮮」という単独表記へと統一されていった経緯があります。
【国際社会と国連】国連加盟名は?世界が見る2つの国家
国際社会における両国の扱いは、冷戦終結を機に大きな転換点を迎えました。象徴的な出来事が1991年9月の国連同時加盟です。
それまで双方は「一つの朝鮮」を主張し、個別の国連加盟に反対し合っていましたが、国際情勢の変化に伴い、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国はそれぞれ独立した主権国家として国連へ同時加盟を果たしました。国連における公式登録名は以下の通りです。
- 大韓民国:Republic of Korea
- 朝鮮民主主義人民共和国:Democratic People's Republic of Korea
国連をはじめとする国際機関では、アルファベット順の座席配置や公式文書において、正式名称に準じた厳格なプロトコルが適用されています。世界の大半の国々は両国と国交を結んでおり、外交の現場では正式名称と通称がシチュエーションに応じて厳密に使い分けられています。
【北朝鮮の正式名称】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:北朝鮮の国内では、自国のことを何と呼んでいるのですか?
A1:北朝鮮国内では一般的に「朝鮮(チョソン)」または「共和国(コンファグク)」と呼んでいます。自国を「北」と限定して呼ぶことは基本的にありません。
Q2:パスポートや公式文書にはどのような名称が記載されていますか?
A2:北朝鮮が発行する公用旅券や一般旅券の表紙には、朝鮮語で「조선민주주의인민공화국」、英語で「DEMOCRATIC PEOPLE'S REPUBLIC OF KOREA」と正式名称が記載されています。
Q3:なぜ英語表記の略称は「NK」ではなく「DPRK」が公式なのですか?
A3:「North Korea(NK)」はあくまで地理的な位置を示す便宜上の通称に過ぎません。国家が国際機関に登録している正式な英語国名が「Democratic People's Republic of Korea」であるため、公式な国名コードや外交プロトコルでは「DPRK」が正式な略称として扱われます。
まとめ|国名から見えてくる朝鮮半島の分断史と今後の視点
北朝鮮の正式名称である「朝鮮民主主義人民共和国」という言葉には、建国当時の社会主義思想や民族の歴史、そして半島の正統性を巡る激しい対立が凝縮されています。
日本における「北朝鮮」、韓国における「北韓」、国際社会における「DPRK」という呼び名の違いは、単なる言葉の差異にとどまりません。それぞれの国が東アジアの安全保障や歴史的経緯とどのように向き合ってきたかを示す重要な指標です。国際ニュースに触れる際は、使われている呼称の背景にある歴史的文脈に目を向けることで、より深い情勢理解へとつながるはずです。 (出典: 北 朝鮮 正式 名称(Yahoo!ニュース))